循環器系の心臓血管外科は、虚血性心疾患や大動脈瘤の手術を行います。心臓の血管に関連するオペはいずれも大手術で、生命の危険を伴うことが少なくありません。特に重要となるのが、術後の経過観察です。そのため、心臓血管外科で働く看護師は、手術跡の状態や不整脈の有無など患者の容態についてしっかりチェックしなければなりません。些細な変化を見落とすと、命に関わる重篤の状態に陥ることもあるからです。目を離せない患者に対して24時間体制で見守ります。夜勤が発生するため、不規則勤務にならざるを得ないと言えるでしょう。また、胸腔ドレーン等のほか、人工呼吸器や人工透析器から除細動器まで救急救命室で使用する器具も扱います。こうした医療機器の操作や管理に精通し、切迫した状況でも冷静に対応することが求められるのです。
さらに、心電図の異常をいち早く発見し、適切な処置を医師に要請することも心臓血管外科の看護師の仕事です。心電図は読み方を教わっただけでは、なかなか読み取ることができません。心電図を正確に読み取れるようになるには経験を重ねることが不可欠です。手術後の心臓リハビリテーションに関する指導も、心臓血管外科の看護師の役割となっています。心臓に負担をかけない生活を送るように、心臓血管外科の看護師が懇切丁寧に指導しなければなりません。このように重責を背負う心臓血管外科の看護師は、日々の研鑽が欠かせないのです。様々な勉強会や研修会に参加して、知識やスキルを高める努力を怠らないことが大切でしょう。